世界にただひとつ。その希少性は、人の心を大きく揺さぶる。だが考えてみれば、私たち一人ひとりにも同じことがいえるのだ。世界中にどれほどの人間がいるのか知らないが、その中であなたはたった一人しかいない。あなたと同じ経験を持ち、あなたと同じ境遇に生き、あなたと同じ未来を歩む人間は、ただの一人もいないのである。そう考えたとき、自分自身がとてつもなく希少な存在に思えてくるだろう。
人は成長とともに、その精神性も変化していく。子どもの頃は夢や希望、好奇心に満ちあふれ、見たこともない「スーパーカー」に心をときめかせる。青年期には燃えるような情熱を沸き立たせ、失敗を恐れない勇気を発揮する。
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だが人生の後半になってくると、傷つくことを過度に恐れ、諦めることを覚えていく。それが自分の身を守ることにつながることを知ってしまうためだ。
だが「世界にただ一人」という自分自身の価値に気づけば、そのようなこともなくなるだろう。むしろその希少性に情熱を傾け、顔を上げて、今以上を目指す勇気も湧いてこようというものだ。
まず自分の存在…その奇跡のような価値に気づき、自身の魅力を知り、それを磨いていくこと。その作業を繰り返すことで、時の流れとともにくすむことのない、底光りするような美しさを手に入れることができるのではないだろうか。
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