In Streets Lined with Jewelry Stores That Sell Kilo Gram Gold

キロ単位の金細工が並ぶショウウィンドウ

日本でいえば、さしずめ築地の市場だろうか。小さな商店がびっしりと並ぶマーケットは「スーク」と呼ばれ、ドバイ国内にいくつか存在する。その中でひときわ異彩を放っているのが「ゴールドスーク」だ。
ここはその名の通り金製品を扱うスークで、店先には写真のように重さ数キロもあろうかという金細工がびっしりと並べられている。ただ大きいだけでなく、それぞれにデザインが凝っており、しかも繊細な加工を施されている。
王族が身につけるにふさわしいほどの出来映えで、見ているだけで煌びやかな気分だ。そのためか外国人観光客が多く、彼らはショウウインドウごとに記念写真を撮っていたりする。もちろん現地の人々も多いが、こちらは観光客と違い、冷やかしではないようだ。真剣な顔で商品を品定めしつつ、価格交渉をする姿があちこちで見られた。

ここは博物館でも美術館でもない。ゴールドスークでは、どこの店先も軒並みこの調子である。

Lean About How to Be Tough

その地で生きる人々のたくましさに触れる場所

ゴールドスークから少し足を伸ばして、香辛料を専門に扱う「スパイススーク」にも行ってみた。扱う商品のためか、こちらはゴールドスークに比べて猥雑な雰囲気だ。何より強烈なのは、その周辺にまで漂ってくる強いスパイスの香りである。苦手な人は、このニオイだけで降参してしまうだろう。
そしてどの店先にも色とりどりのスパイスが山と積み上げられている。
チリペッパー、アニス、シナモン、ナツメグ…日本でもなじみ深い面々もあれば、まったくもって正体不明のものまで多種多様。迷路のように入り組んだ通路に加えて賑やかな商人たちの声、あちこちから声をかけてくる客引き、そして行けども行けどもついてくるスパイスの香りに、めまいさえ感じる有り様だ。
スパイスばかりのスパイススーク。このほか、水煙草や服、布地などの専門店が軒を連ねる。
どの国でもそうだが、その国の素顔を見ようとすれば「市場」に出向くのがいちばんの早道だ。整備され、観光客向けにアレンジされたレジャー施設とは異なり、その地に生きる人の顔を見てとれる。並んだ品々からは人々の生活ぶりを知ることができるし、あふれんばかりの活気に触れることもできる。
ドバイというと、私たちは豪華なホテルや巨大なタワーばかりを思い浮かべてしまいがちだ。だがスークには伝統的なドバイの姿がある。
もしもあなたがかの国を訪れることがあったら、ぜひスークに足を踏み入れてみることをおすすめする。そこではたくましく今日を生き、明日もまた強く生きていくであろう人々の力を、全身で感じ取ることができるはずだ。
スークでは「定価」の概念がないので、価格はすべて交渉次第。観光客の多いゴールドスークはほとんどの店でクレジットカードが使えるほか、世界各国の現金払いもでき、中には「日本円OK」という店もあるとか。どこまで本当かは判らないが、あながち嘘とも思えない話である。
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