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Place Yourself in Exclusive Realm of Dazzling Luxury
金に包まれた極上の空間に身を置いてみる
いつの時代、どの国においても、ゴールドは権威と繁栄、富の象徴だった。その価値観は現在でも少しも変わることはない。中東に来てみると、それをいっそう強く実感する。
この地では、ホテルからモスクから、とにかく人を出迎えるような施設は、必ずと言って良いほど金で飾られている。グレードが高くなればなるほど、その傾向は強くなる。細やかな細工を施した金のシャンデリア、金糸をたっぷりと縫い込んだ分厚いカーテン、柱や壁、天井に金で描かれた美しい文様。とにかくいたるところが、惜しみなく金で飾られている。
だが、これだけふんだんに金色をあしらいながら、いわゆる「成金趣味」的ないやらしさは、ひとかけらも感じない。それは古来、東西のさまざまな文化が交錯するこの地で育まれてきた優れた美的感覚のなせるわざかもしれないし、常識はずれの規模の大きさ、スケールの壮大さによるものかもしれない。
奇をてらわない落ち着きのあるデザインが、金の美しさをよりいっそう引き立てる。
その論法でいくと、この「エミレーツ・パレス」は規模の大きさとその美しさにおいて、まさに「黄金の宮殿」と呼ぶにふさわしい。
プライベートビーチを背にし、整備された広大な緑地に立つホテルはさほど背は高くないものの、左右両翼に広がる姿は「パレス」の名に恥じない風格を見せる。外観は決して派手ではなく、少しくすんだような、古色さえ感じさせる地味なもの。だがひとたび日が暮れてライトアップが始まると、夕闇に浮かぶ金の王宮が姿を現す。
ひと目見てしまったら、この光景は瞼に深く刻まれ、そう簡単に忘れることはないだろう。それほど強い印象を残してくれる。
このホテルは世界的にもよく知られ、マスコミに取り上げられることが多い。実際に館内はいたるところに金があしらわれているのだが、そこには人を驚かすような派手さは決してない。むしろ柔らかな黄金の光に包まれた、落ち着いた心地よさがある。
Feel Warmth Hidden behind Gorgeous Appearance
あでやかな見た目の奥にひそむ暖かさ
最上部まで続く高い吹き抜けの下に立つと、まるで巨大なシャンデリアの中にいるようだ。
煌びやかに輝く宝石や、金色の光を放つ調度品。それらは決して、簡単に手に入れられるものではない。まして、東京ドームの数十倍という広さを金色で覆い尽くした空間などは、贅沢の極みというものだろう。
だがそれは壮観ではあっても、決して「美観」とイコールではない。そこに抑制の利いたバランスや確固とした美意識がなければ、ただの成金趣味に堕してしまう。
だがエミレーツ・パレスは違う。そこには絢爛豪華な眺めとともに、重厚な落ち着きがあり、高貴に洗練された美的センスが部屋の隅々にまで息づいている。その金色の輝きばかりが声高に喧伝されがちではあるが、もしもあなたがこの場所を訪れたなら、その金色の空間の中に、畏れることなく身を浸してみてほしい。見た目の華やかさのその奥から立ち上る、繊細で暖かな心地よさを感じることができるはずだ。
世界中でその名を知られ、各国要人の利用も多い。アブダビがどこにあるかは知らずとも、このエミレーツ・パレスは「見たことがある」という日本人は多いだろう。ホテル外観の印象が、昼と夜とでまったく違うというのも、面白いところ。
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