北村:まったくその通りです。もう20年以上もこの仕事を続けていますが、毎日が新しく、発見や創造に満ちています。そうした前進があるから、これだけ長く続けてこられたのだろうとも思っています。
オラチオ:やはりそうですか。創造や挑戦はいつもエキサイティングなものだ。それを日々実感できるわれわれは、幸福な男たちなのかもしれませんね。
北村:ですが自動車はメカニカルな世界です。あなたが作ったものを模倣しようとする者もいるのではありませんか?
オラチオ:私が作ったものはすでに過去のもの…「過去の私が作ったもの」です。真似したければすればいい。今日の私は昨日の私よりも一歩前進していますから、常に今まで以上のものを創り出す自信があります。ですから特許などで保護することには、あまり意味を感じていないのです。
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北村:さすがは「現代のダヴィンチ」と呼ばれるあなたらしい。…こうしてお話をしていると、多くのインスピレーションを感じます。
オラチオ氏との対談は昼食を挟み、予定以上の長時間に及んだ。メカニズムやデザインの新たなアイデアやプランについて語るとき、彼は子どものように饒舌になり、熱い熱い情熱を放射する。エキサイティングなひとときを共に過ごしてくれたオラチオ氏に、この場を借りてあらためて感謝申し上げる。
※本項は、同行した記者による記録等により構成したものです。
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